放課後等デイを転々とすると安定しにくい理由|支援の現場から

なぜ放課後等デイを転々とすると、安定しにくくなるのか

「受け入れてくれるところがあるなら、
いくつか行った方がいいのではないか」

放課後等デイサービスを探している保護者から、
よく聞く言葉です。

断られ続けてきた経験があれば、
なおさらそう感じるのは自然だと思います。

「ここは無理と言われた」
「別のところなら大丈夫かもしれない」
「選択肢は多い方が安心」

この考え方自体を、
否定するつもりはありません。

ただ、
支援の現場で実際に起きていることを踏まえると、
一つ知っておいてほしい現実があります。


ふきのこには、
一度、他のデイサービスで継続が難しくなり、
ここで落ち着きを取り戻した子が、
何人もいます。

環境が合い、
関わり方が噛み合い、
行動が少しずつ安定していく。

その変化を見て、
保護者が前向きな気持ちになるのも、
とてもよく分かります。

「ここまで落ち着いたなら、
また他の場所にも行けるかもしれない」

「選択肢を広げておいた方がいいかも」

こうして、
再び複数利用が始まるケースがあります。


しかし、
このタイミングで、
行動が再び不安定になることは、
決して少なくありません。

理由は、
本人の努力不足でも、
保護者の判断ミスでもありません。


支援の積み重ねが、いったんリセットされるから

です。

場所が変わると、
子どもはもう一度、
人の距離感を測り、
ルールを読み取り、
自分の立ち位置を探し直します。

それは、
思っている以上にエネルギーが要る作業です。


特に、
これまで他害や強い行動があった子ほど、
環境の変化に対して敏感です。

表面上は落ち着いて見えても、
内側では緊張が積み重なっていく。

「この場所では、
どこまでやっていいのか」
「この人は、どこまで見てくれるのか」

その確認作業は、
時に行動として表に出ます。

それを見て、
また「難しいですね」と言われる。

この循環に入ると、
子どもも、
大人も、
疲弊していきます。


ここで、
ふきのこの支援について、
少し具体的な話をさせてください。

正直に言うと、
ふきのこは
前兆を見る力が、
かなり高いと思っています。

なぜなら、
ふきのこでは
「観察」を一番大事にしているからです。

行動が起きたあとではなく、
起きる前に、
どんな変化が出ているのか。

表情、
動き、
目線、
呼吸、
間の取り方。

一つひとつは小さな変化でも、
毎日見ているから気づける。

そして、
気づいた上で、
本人の意思表示を促すことができます。

「しんどい」
「嫌だ」
「今は無理」

言葉にならなくても、
伝えようとするサインを拾い、
行動に出る前に受け止める。

この積み重ねが、
落ち着きにつながっています。


問題は、
この状態を「落ち着いたから大丈夫」と捉えて、
別の場所へ行ったときです。

新しい場所では、
その前兆に気づいてもらえない。
意思表示の仕方も伝わらない。

本人にとっては、
それが大きなストレスになります。

伝えているのに、
伝わらない。
分かってほしいのに、
分かってもらえない。

その積み重ねが、
再び行動として表に出る。

これは、
本人がわがままになったわけでも、
支援が崩れたわけでもありません。


理解の土台が、リセットされた結果

です。


ここで誤解してほしくないのは、
「最初から一か所に決めろ」
と言いたいわけではない、ということです。

最初は探しながらでいい。
見学して、試して、合う場所を探す。

ただ、
「ここで少し落ち着いてきた」
と感じられる場所が見つかったとき。

その場所で、
支援を積み重ねるという選択が、
結果的に一番の近道になることがあります。


選択肢を増やすことと、
実際に行き先を増やすことは、
同じではありません。

知っておくことは大切。
でも、
落ち着いている環境を崩さないことも、
同じくらい大切です。

支援は、
積み重ねて初めて形になります。

一か所で関係を作り、
一か所で失敗も成功も共有し、
一緒に振り返る。

その時間が、
子どもの安定につながっていきます。


この考え方に共感される方は、
ふきのこの支援方針もご覧ください。

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