放課後等デイサービスに断られる本当の理由|制度と判断の現実

放課後等デイサービスで「お断り」が出る本当の理由
――それは“能力不足”ではなく“制度破綻”の問題

はっきり言う。
放課後等デイサービスに「受け入れできません」と言われるのは、優しさが足りないからでも、努力が足りないからでもない。
制度の前提そのものが、現場に合っていない。
それだけの話だ。

放デイは「覚悟があれば何でもできる」場所ではない

よくある誤解がある。

  • やる気があれば何とかなる
  • 工夫すれば受け入れられる
  • 福祉なんだから断るな

全部、制度を知らない人の理想論だ。
放デイは情熱で運営する場所ではない。

放デイは「事業体」だ。
現場は、次の条件を同時に満たす必要がある。

  • 人員配置基準
  • 集団の安全
  • 事故時の責任(説明責任)
  • 継続支援の体制

一つでも崩れれば、「いい話」では終わらない。

「強度行動障害=重い子」という雑な理解

まず前提として。
強度行動障害は、診断名ではない。

行動の内容・頻度・環境との相互作用から、
「今の生活環境では、支援が著しく困難な状態」を説明するための言葉として使われる。
だから、

  • 家では落ち着く
  • 学校では問題にならない
  • でも放デイでは他害が出る

こういうことは、普通に起こる。
環境が違えば、行動は変わる。
それだけだ。

放デイが一番恐れているのは「善意の限界突破」

現場で一番危険なのは、これだ。
「なんとかなると思って受け入れる」

この判断の先にあるのは、

  • 職員の疲弊
  • 注意力の低下
  • 小さな事故の連鎖
  • 結果として、誰も守れない状態

制度上、事故が起きた瞬間に問われるのは事業所の判断責任だ。
「善意で受けました」は、何の免責にもならない。

なぜ「他害」が重なると受け入れ不可になるのか

ここを感情論で語る人が多すぎる。

  • 他害がある子が悪い → 違う
  • 事業所が冷たい → 違う

問題はここだ。
同時間帯に、どれだけのリスクを背負えるか。

制度上、放デイは
「一人のために、他全員を危険にさらす」選択を取れない。
それをやれば、制度違反ではなくても倫理破綻になる。

学校と放デイの判断が違うのは「当然」

学校と放デイの判断が違うと、怒りが向くことがある。
でも、冷静に考えてほしい。

  • 学校:公的機関・大規模・責任分散
  • 放デイ:民間・少人数・事業所が全責任

同じ判断を期待する方が無理だ。
放デイは「逃げ場のない構造」にいる。

本当の問題は「制度が覚悟を前提にしていない」こと

ここが核心。
制度は、

  • 軽度〜中度を想定して作られている
  • でも現実は重度・複合ケースが集まる
  • 人も評価も、全く追いついていない

結果どうなるか。

  • 無理して受ける事業所が壊れる
  • 断る事業所が悪者になる
  • 保護者と現場が対立する

誰も得をしていない。

断られたとき、親が自分を責めなくていい理由

最後に、これだけは伝えたい。
「受け入れ不可」は、子どもの価値の否定ではない。

事業所が判断しているのは、

  • その子の未来
  • その子の可能性

ではなく、
この環境で、支援を継続できるかどうか
それだけ。

現実的な一歩としてできること

感情だけでぶつからないために、現実に使える整理を置く。

  • なぜ難しいのかを言語化してもらう(安全・人員・時間帯・環境)
  • 曜日・時間帯の調整余地を探る
  • 支援体制の条件(できる/できない)を明確にする

制度を理解すると、「戦う相手」が事業所ではないことが見えてくる。

最後に(はっきり言う)

放課後等デイサービスは、万能でも、最後の砦でもない。
でも、無理をしない判断ができる事業所ほど、本気で支援を考えている。

制度の限界を知らないまま怒りを向けると、必要な場所が先に消える。
その現実だけは、知っておいてほしい。


よくある質問(FAQ)

Q. 放課後等デイサービスに断られたのは、子どもの価値の否定ですか?

A. 違う。事業所が判断しているのは「その環境で安全に支援を継続できるか」だ。
子どもの可能性や価値を否定する話ではない。

Q. 強度行動障害は診断名ですか?

A. 診断名ではない。行動の頻度や強さ、環境との関係から「支援が著しく困難な状態」を説明するための言葉として使われる。

Q. 学校と放デイで判断が違うのはなぜですか?

A. 集団規模・目的・責任の範囲が違うから。放デイは少人数で、事業所単位の安全配慮と説明責任を背負う。


※ 制度の解釈や手続きは、個別事情によって対応が異なります。必要に応じて専門家に相談することも選択肢の一つです。

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