
違和感に気づいたとき、保護者が最初にやっていいこと
放課後等デイサービスに通っているのに、
ふと不安になる瞬間があります。
家では前兆が出ている。
なのに、デイの記録はいつも同じ。
面談でも「大丈夫ですよ」で終わる。
このとき保護者が一番しんどいのは、
不満があることではありません。
「何が起きているのか分からない」
「自分の感覚が正しいのか分からない」
「でも下手に言って関係が悪くなるのが怖い」
この三重苦です。
だから今日は、転所の話でも、批判の話でもなく、
“今通っている場所”を現実的に見直すための最初の一手を、
段階で整理します。
ステップ0:まず「違和感の正体」を1行で言えるようにする
違和感が強いほど、人は言葉が雑になります。
「なんか合ってない」「ちゃんと見てない気がする」
これだと、面談で話しても噛み合いません。
最初にやるのは、これです。
違和感を1行にする。
例:
- 家で出ている前兆と、デイの説明がつながらない
- 不安定だった日のあと、次回の関わりが変わらない
- 「落ち着いている」以外の情報がほぼ出てこない
- 面談での話が抽象で、具体の場面が出ない
この1行ができると、
感情ではなく、確認に変わります。
ステップ1:「一時的なズレ」か「構造の問題」かを分ける
違和感が出たとき、すぐに結論を出したくなります。
でもここで焦ると、判断が荒れます。
まず分けます。
一時的なズレと、構造の問題。
一時的なズレになりやすいのは、例えばこんな時です。
- 担当職員が変わった直後
- 年度替わり・学年の切り替え
- 利用枠や曜日が変わった直後
- 子ども側の体調・睡眠が崩れている期間
この場合は「様子見」でもいい。
ただし、様子見には条件があります。
“何を見て様子見するのか”が決まっていること。
逆に、構造の問題を疑うサインはこれです。
- 同じ説明が数か月変わらない
- 家庭の情報を伝えても、関わりが変わらない
- 面談で「気になる点」がほぼ出てこない
- 「急に」「たまたま」が多い
ここまで来ると、
保護者の努力だけでは埋まりません。
ステップ2:見るべきは「態度」ではなく「修正」があるか
保護者は、職員の言い方や態度に傷つくことがあります。
でも、そこだけを見て判断すると、ズレます。
大事なのは、
こちらの共有を受けて、現場が“次回”に何を変えるかです。
チェックするポイントは3つだけ。
- ① 次回、環境や関わり方に小さな変更が入ったか
- ② 記録や口頭の説明が、前より具体になったか
- ③ 「次はこうしてみます」が出たか
ここが動く現場は、伸びます。
逆に、ここが動かない現場は、保護者が孤立します。
ステップ3:面談で“詰めない聞き方”を使う(これが一番大事)
多くの保護者が詰まるのはここです。
聞きたい。でも揉めたくない。
下手に言うと、面倒な親扱いされそうで怖い。
だから、詰めません。
確認の形で聞きます。
使っていい質問はこれです。
そのまま言ってOKです。
- 「最近、ここでの様子で“気になっているサイン”はありますか?」
- 「崩れる前って、どんな前触れが出ますか?」
- 「前触れが出た時、まず何をしますか?」
- 「うちではこうなりやすいんですが、ここではどうですか?」
この質問の狙いは、職員を試すことではありません。
現場が“前兆を言語化できるか”を見るためです。
質が高い現場は、良い日でも語れます。
「特にありません」だけで終わりません。
小さな揺れ、表情、切り替え、待つ場面。
そういう話が自然に出ます。
ステップ4:家庭側が「材料」を出す(ただし、重くしない)
ここ、現実の話をします。
現場の質だけで完結しないこともあります。
家庭の情報がゼロだと、
現場は“その場の反応”しか拾えません。
でも、親が毎日詳細に書くのも無理です。
だから、家庭側はこれだけでいいです。
- 睡眠:よく眠れた/途中で起きた
- 食事:いつも通り/少ない/偏り
- 体調:便秘・痛みっぽい・風邪気味など一言
- 学校:いつも通り/嫌な出来事があった(ざっくり)
ポイントは、毎回同じフォーマットで出すこと。
これで現場が傾向を拾えるようになります。
逆に言うと、
ここまで材料があるのに、何も変わらないなら、
それは現場が拾っていない可能性が上がります。
ステップ5:「様子見」をするなら、期限と見る項目を決める
「もう少し様子を見ましょう」
この言葉自体は悪ではありません。
問題は、
様子見が無限に続くことです。
様子見するなら、こう決めます。
- 期限:2週間/1か月など
- 見る項目:前兆の共有が増えるか、次回の工夫が入るか
- 面談:期限の終わりに短く振り返る
これを決めるだけで、
保護者の不安は「検証」に変わります。
ステップ6:最後に一つ。“転所するか”より先に考えること
転所は大きな決断です。
子どもにとって環境変化は負担になることもあります。
だから、すぐに決めなくていい。
でも、これだけは考えてください。
この場所にいる間、保護者が孤立していないか。
相談したとき、状況が“具体”にほどけていくか。
次の一手が一緒に整理されるか。
ここがないと、
保護者だけが不安を抱え続けます。
それは、長く持ちません。
迷ったままでいい。でも、迷い方は設計できる
放課後等デイサービスは、白黒で割り切れません。
「良いか悪いか」ではなく、
「この子にとって今、何が必要か」で見直すものです。
違和感に気づいたあなたは、もう十分に見ています。
次は、感情ではなく、手順で動いてください。
この考え方に共感される方は、
ふきのこの支援方針もご覧ください。

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