その行動、読み違えていませんか?|急にふざける子を、ただ調子に乗っていると見ないために

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具体的な支援の組み立て方や現場での対応手順については、以下の専門ページで詳しく解説しています。
強度行動障害の支援方法

その行動、読み違えていませんか?|急にふざける子を、ただ調子に乗っていると見ないために

子どもの支援をしていると、
それまで普通に過ごしていたのに、
急にふざけ始める子がいます。

たとえば、

  • 急に大きな声を出して笑う
  • 関係のないことをし始める
  • わざと注意を引くような動きをする
  • ルールを分かっているのに崩す
  • 妙にテンションが上がって止まらなくなる

こうした姿を見ると、
大人はつい
「調子に乗っている」
「ふざけている」
「わざとやっている」
と受け取りやすくなります。

もちろん、
実際に遊び心が強く出ている場面もあります。

ですが、ふきのこでは、急にふざける子を、そのままただ調子に乗っている子とは見ません。

なぜなら、
子どもによっては、
そのふざけの中に、
しんどさ、過覚醒、不安、限界の近さ
が隠れていることがあるからです。

つまり、
「楽しくなってふざけている」のではなく、
内側で上がりすぎて、うまく保てなくなっている
ことがあります。

だから、この見え方もかなり読み違えやすい。
そして読み違えるほど、
支援はその子の崩れ前サインを、
“ただのふざけ”として流してしまいやすくなります。

ふざけは目立ちますが、理由は一つではありません

急にふざけ始める行動は、
外から見ると分かりやすいです。

笑う。
動きが大きくなる。
関係ないことをする。
人の気を引く。
声が増える。

こうしたものは、
支援者にも保護者にも見えやすいです。

でも、その中身は一つではありません。

本当に楽しくてふざけていることもあります。
一方で、

  • 緊張が上がりすぎている
  • しんどさをごまかしている
  • 切り替え前で保てなくなっている
  • 注目を集めて状況をずらそうとしている
  • 崩れる前に出る過覚醒の形

であることもあります。

ここを見ないまま
「またふざけている」
で終わると、
本当はかなり大事な前兆を見逃しやすくなります。

ふきのこが見ているのは「ふざけたか」ではなく「どこから上がり始めたか」です

ふきのこでは、
子どもが急にふざけ始めた時、
その行動だけを切り取って見ません。

それよりも、

  • その前に表情は変わっていなかったか
  • 少し前からそわそわしていなかったか
  • 活動や待ち時間が長くなっていなかったか
  • 言葉が増えすぎていなかったか
  • 切り替え前や終わり際ではなかったか
  • 感覚的に上がりやすい刺激が重なっていなかったか

を見ます。

つまり、
「ふざけたから注意する」より前に、
どこからその上がりが始まっていたのか
を見ます。

ここが見えると、
ふざけは単なる問題行動ではなく、
崩れ前のサインとして読めることがあります。

なぜ子どもは「急にふざけるように見える」のか

1. 内側の緊張が上がりすぎて、動きであふれるからです

子どもの中には、
不安や緊張が高くなると、
静かに固まるのではなく、
逆に動きや声が増える子がいます。

この時、
外から見ると
「楽しそう」
「調子に乗っている」
ように見えることがあります。

でも実際には、
落ち着いているのではなく、
上がりすぎて保てなくなっている
のかもしれません。

2. しんどさをごまかすために、ふざけの形を取るからです

分からない。
難しい。
しんどい。
でも、それをそのまま出せない。

そういう時に、
子どもはふざけることで場をずらそうとすることがあります。

これは悪知恵というより、
その子なりの逃がし方かもしれません。

つまり、
本当は困っているのに、
困っている形では出せず、
ふざけとして出ていることがあります。

3. 切り替えや終わりへの不安が、テンションの上がり方として出るからです

活動の終わり、
移動前、
帰り際、
次の流れに移る直前。

こういう場面で急にふざける子は少なくありません。

これは単に楽しくなったのではなく、
切り替えの負荷や終わりへの不安
が上がりとして出ている可能性があります。

4. 注意を引いて場をコントロールしようとしているからです

子どもによっては、
しんどさが高まった時、
自分で状況を変える力が足りないため、
まず大人の注意を引く形を取ることがあります。

ふざける、
変なことをする、
笑ってごまかす。

こうした行動は、
場を乱したいのではなく、
今の流れを変えたい
のかもしれません。

なぜ「ただふざけている」と読むと危ないのか

1. 崩れ前のサインを見逃すからです

急なふざけが、
実は崩れ前のサインである子がいます。

そこを
「またふざけてる」
とだけ読んでしまうと、
支援の切り替えが遅れます。

その結果、
少し前なら戻れたものが、
大きな崩れまで進みやすくなります。

2. 注意や制止でさらに上がりやすくなるからです

ふざけをそのまま問題行動と読むと、
どうしても
「やめよう」
「ふざけない」
「ちゃんとしよう」
と止めに行きやすくなります。

でも、本人がすでに上がっている時には、
その言葉自体がさらに刺激になることがあります。

すると、
ふざけは止まらず、
むしろもっと大きくなりやすいです。

3. 本人の困り感が見えなくなるからです

ふざけているように見える子は、
困っていないように見られやすいです。

でも実際には、
かなり困っていて、
それがふざけの形でしか出せないことがあります。

ここを見ないと、
支援は理解ではなく、
矯正に寄りやすくなります。

4. 家庭でも同じ読み違いが起きやすくなるからです

事業所で
「よくふざけますね」
だけで終わると、
家庭でも
「また調子に乗っている」
と受け取られやすくなります。

でも本当に見るべきなのは、
どの場面で、
何の前に、
どう上がるのかです。

それが分かると、
家庭での見方もかなり変わります。

児童発達支援・放課後等デイサービスでは、この読み違いがかなり起きやすいです

児童発達支援や放課後等デイサービスでは、
集団活動や切り替え場面が多く、
子どもが急に上がる場面に出会いやすいです。

その中で、
ふざけはどうしても
「場を乱す行動」
として見られやすいです。

もちろん、
場の安全や流れを守る視点も必要です。

でも、その前に
「これはただのふざけか、それとも上がりすぎのサインか」
を見ることが大切な子がいます。

ふきのこでは、
そこを飛ばさないようにしています。

支援全体の土台になる考え方は、
こちらの記事でも詳しく整理しています。
強度行動障害の支援方法|爆発前・爆発中・回復期の具体対応と判断設計

ふきのこでは、「ふざけを止める」より「上がりを下げる」ことを先にします

ふきのこが大切にしているのは、
ふざけを早く消すことではありません。

それよりも、

  • 何が上がりを強めたのか
  • どこで支援を軽くすべきか
  • 刺激を減らした方がよいのか
  • 活動を一度切った方がよいのか
  • 本人が戻りやすい条件は何か

を見ます。

つまり、
「ふざけを止める」より、
その子の上がりを下げて、保てる位置まで戻す
ことを先にします。

この順番が逆になると、
支援はその子を理解する前に押さえ込むものになりやすいです。

ふきのこの支援観では、「ふざけ」に見えるものほど丁寧に読みます

このシリーズでは、
表面に見えている行動と、
実際に内側で起きていることがズレる場面を扱っています。

「急にふざける」も、その代表の一つです。

調子に乗っている、
わざとやっている、
ちゃんとすればいい。

こうした読み方は、
時に子どもの限界の近さを見えなくします。

だから、ふきのこでは
ふざけが出た時ほど、
本当に起きているのが楽しさなのか、
しんどさなのか、
崩れ前の上がりなのかを見ます。

支援観シリーズ一覧は、こちらから見られます。
ふきのこの支援観

ふきのこで大切にしていること

ふきのこでは、
急にふざける子を、
そのままただ調子に乗っている子とは見ません。

そうではなく、

  • そのふざけの奥にしんどさはないか
  • どこから上がり始めていたのか
  • 何がその子にとって重かったのか
  • どの段階なら戻しやすかったのか
  • 何を減らせば保ちやすいのか

を見ます。

大切なのは、
ふざけを早く止めることではなく、
その子が何をきっかけに上がり、何に耐えきれなくなっているのかを読み違えないこと
です。

ふきのこの支援や事業所の概要については、
こちらをご覧ください。
ふきのこについて

まとめ

急にふざける子は、ただ調子に乗ってそうなっているとは限りません。

そのふざけの奥には、
しんどさ、過覚醒、不安、限界の近さが隠れていることがあります。

大切なのは、
「ふざけている」と早く決めることではなく、
そのふざけが何のサインなのかを丁寧に見ること
です。

その視点があると、
支援は行動を止めるものではなく、
その子が崩れる前に支えを切り替えるものへ変わっていきます。

       強度行動障害の支援方法を体系的にまとめています

       ▶ 強度行動障害の支援方法【構造・前兆・実践まで解説】        

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