
▶ 強度行動障害の支援方法
ふきのこが「急にふざける子」を安心サインと見ない理由
子どもが急にふざけ始めると、
大人はつい
「楽しくなってきたのかな」
「緊張がほぐれてきたのかな」
「場に慣れてきたのかもしれない」
と考えやすくなります。
実際、児童発達支援や放課後等デイサービスの現場でも、
それまで何とか参加していた子が急に笑い始めたり、
おどけたり、
わざと変なことをしたりすると、
一見すると気持ちが上向いてきたように見えることがあります。
ですが、ふきのこでは、急にふざけることを、そのまま安心材料にはしません。
なぜなら、そのふざけが
本当に楽しいから出ているのではなく、
内側のしんどさや過覚醒が強くなり、崩れ前のサインとして出ている
ことが少なくないからです。
ふざけているのではなく、「上がりすぎている」ことがある
子どもによっては、
崩れる前に静かになる子もいれば、
そわそわと落ち着きがなくなる子もいます。
でも、逆に
- 急に笑いが増える
- 声が大きくなる
- わざとルールを崩す
- 支援者をからかう
- ちょっかいが増える
- おどけた動きが止まらなくなる
といった形で、
急にふざけ始める方が危ない子
もいます。
このタイプの子は、
楽しくてふざけているというより、
もう内側の刺激や感情が上がりすぎて、
その高まりが笑いやおどけの形で出ていることがあります。
つまり、ふざけではなく、
過覚醒やごまかしに近い状態
です。
ふきのこが見ているのは「ふざけたかどうか」ではなく「ふざけ方の質」
同じ笑いでも、
本当に楽しくて出ている笑いと、
危ないふざけでは中身が違います。
ふきのこでは、急にふざけ始めた時、
- 笑顔が自然か、張りついているか
- 目の動きが落ち着いているか、忙しいか
- 声量が急に上がりすぎていないか
- 止めた時に戻れるか、さらに上がるか
- その後に何が起きやすいか
を見ます。
笑っていても、
声が大きすぎる、
周囲を見ながら過剰に反応している、
止まらない、
ちょっかいが強くなる。
そういう時は、
安心ではなく、
限界が近いサイン
として扱います。
なぜ急にふざけ始めるのか
急にふざけ始める背景には、いくつかの理由があります。
1. 過覚醒で感情が上がりすぎている
本人の中で刺激や緊張が高くなりすぎて、
笑い・おどけ・からかいの形で噴き出していることがあります。
2. しんどさをごまかしている
本当は苦しい、不安、疲れている。
でもそれを言葉で出せず、
ふざけることで何とかその場をずらしている子もいます。
3. 場の空気を変えて持ちこたえようとしている
真面目に向き合い続けると苦しくなるので、
ふざけることでその場の重さを変えようとする子もいます。
4. 爆発前の“最後の上がり”になっている
崩れる前に一度テンションが不自然に上がる子がいます。
見た目は元気でも、内側ではかなり危ない段階です。
ここで読み違えると、支援は逆効果になりやすい
急にふざけ始めた時、
大人はつい
「楽しくなってきたならこのまま進めよう」
「少し乗ってあげた方がいいかもしれない」
と思いやすいです。
でも、もしそのふざけが危険サインなら、
- 一緒に盛り上がる
- さらに反応する
- 注意を重ねる
- そのまま集団の中で続けさせる
といった関わりは、
子どもをさらに上げてしまいやすくなります。
つまり、ふざけが出た時ほど、
実は「乗る」より「引く」方が大事な子がいます。
ふきのこが大切にしているのは、「ふざけたから関われる」ではなく「ふざけた時こそ見直す」こと
ふきのこでは、
急にふざけ始めた場面でまず考えるのは、
「今なら楽しく進められるか」ではありません。
それよりも、
- 刺激を減らした方がいいか
- 人を少し離した方がいいか
- 声量を下げた方がいいか
- 課題を止めた方がいいか
- 落ち着ける場所へ切り替えた方がいいか
を考えます。
大切なのは、
表面の明るさに安心することではなく、
そのふざけの中で何が起きているかを読み違えないこと
です。
「笑っている」ことと「安心している」ことは違う
ここは、保護者の方にも支援者にも、とても大切な視点です。
子どもが笑っているからといって、
必ずしも安心しているとは限りません。
その場を楽しんでいるように見えても、
実際には
- 上がりすぎている
- しんどさをごまかしている
- 刺激を自分で止められない
- 次の爆発の前に不自然に高まっている
ことがあります。
だから、ふきのこでは
「笑っていた」「楽しそうだった」だけで評価を終わらせません。
そのふざけが、
本当に余裕なのか、
限界前のサインなのかを見直します。
児童発達支援・放課後等デイサービスで、この視点が重要な理由
児童発達支援や放課後等デイサービスでは、
集団の中での見え方に引っ張られやすい場面があります。
たとえば、
周囲も笑っていたり、
場が少し和らいだように見えたりすると、
「うまくいっている」
と判断されやすいです。
でも実際には、
集団の中で急にふざけ始める子ほど、
内側で限界に近づいていることもあります。
だからこそ、
その場の見た目だけではなく、
その子の普段の崩れ方や前兆の出方まで含めて見る必要があります。
支援全体の土台になる考え方は、
こちらの記事でも詳しく整理しています。
強度行動障害の支援方法|爆発前・爆発中・回復期の具体対応と判断設計
ふきのこの支援観では、「危ないふざけ」も支援の入り口です
ふきのこの支援観シリーズでは、
こうした「一見よく見えるけれど、実は危ない場面」を大切に扱っています。
急にふざけ始めることもその一つです。
見た目だけで安心してしまうと、
本当はそこで支援を切り替える必要がある子を、
さらに上げてしまうことがあります。
支援観シリーズ一覧は、こちらから見られます。
ふきのこの支援観
ふきのこで大切にしていること
ふきのこでは、
急にふざけ始める子を
「楽しんでいる子」とすぐには見ません。
そうではなく、
- そのふざけは余裕か、限界か
- どこから不自然に上がっているか
- 何をごまかそうとしているのか
- そこからどう支援を切り替えるべきか
を見ます。
大切なのは、
笑いや明るさに安心することではなく、
そのふざけの意味を読み違えないこと
です。
ふきのこの支援や事業所の概要については、
こちらをご覧ください。
ふきのこについて
まとめ
ふきのこが「急にふざける子」を安心サインと見ないのは、
そのふざけが本当の楽しさではなく、
内側のしんどさや過覚醒が強くなったサインであることがあるからです。
大切なのは、
「笑っているから大丈夫」と安心するのではなく、
そのふざけ方の質を見て、余裕なのか限界なのかを見分けること
です。
ふざけ始めた時ほど、
刺激を減らす、
人を離す、
課題を止める、
支援を切り替える。
そうした見方ができると、
大きな崩れの前に支えられる場面が増えていきます。
強度行動障害の支援方法を体系的にまとめています

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