ふきのこが「できない理由」を先に探す理由

autism
具体的な支援の組み立て方や現場での対応手順については、以下の専門ページで詳しく解説しています。
強度行動障害の支援方法

ふきのこが「できない理由」を先に探す理由

子どもの支援では、
できないことがあると、
どうしても先に
「どうやったらできるようになるか」
を考えやすくなります。

もちろん、それ自体は大事です。
支援は、子どもが少しずつできることを増やし、
生活を回りやすくしていくためのものでもあります。

ですが、ふきのこでは、できない時にすぐ「できるようにする方法」から入ることはしません。

なぜなら、
子どもができない時には、
その子なりの理由がかなり高い確率であるからです。

見通しが切れているのかもしれない。
感覚的にしんどいのかもしれない。
身体不快があるのかもしれない。
言葉が重すぎるのかもしれない。
見られていること自体が負荷なのかもしれない。

つまり、「できない」は怠けや反抗の結果ではなく、
その子が今その場を通れない理由が外に出ている状態
であることが少なくありません。

だから、ふきのこでは、
できない場面に出会った時ほど、
まず
何がその子を止めているのか
を探します。

「どうしたらできるか」を急ぐと、支援は押し込みになりやすい

子どもが止まっている場面で、
大人はつい先回りして考えます。

  • 励ました方がいいのでは
  • もっと声をかけた方がいいのでは
  • 手伝ってでも通した方がいいのでは
  • 一度やらせた方が次につながるのでは

こうした発想は自然です。
でも、ここで気をつけないと、
支援はすぐに
その子を通すこと自体が目的
になっていきます。

すると、

  • 本人のしんどさより結果が優先される
  • できない理由が見えないままになる
  • その場では通っても反動が出る
  • 「やらされる」経験が積み重なる

ということが起きやすくなります。

つまり、
「できるようにする」ことを急ぎすぎると、
支援は前に進んでいるようで、
実はその子の困りごとの構造を見逃したままになることがあります。

ふきのこが最初に見るのは、できないことそのものではなく、止まっている理由です

ふきのこでは、
子どもができない場面に出会った時、
まず
「この子は何が足りないのか」
とは考えません。

それより先に、

  • 今、何が重いのか
  • どこで止まったのか
  • どの段階までなら通るのか
  • 何を足したせいで重くなったのか
  • 何を減らすと少し入りやすいのか

を見ます。

同じ「できない」でも、
理由が違えば支援はまったく変わるからです。

たとえば、
椅子に座れない子がいたとしても、

  • 感覚的に椅子が苦手なのか
  • 集団の視線がしんどいのか
  • 終わりが見えず不安なのか
  • すでに疲れていて余裕がないのか
  • その前の声かけが重かったのか

で、入り方は全部変わります。

だから、ふきのこでは
「座れない子」
という見方で止めず、
何がこの子を座れなくしているのか
を先に見ます。

なぜ「できない理由」を先に探すのか

1. 結果だけ通しても、再現しにくいから

その場で何とかできたとしても、
理由を見ずに通しただけなら、
次も同じように止まりやすいです。

逆に、
その子がどこで止まり、
何が重く、
何を減らすと通りやすいのかが分かると、
次の支援が再現しやすくなります。

つまり、
理由を探すことは遠回りではなく、
再現できる支援にするための近道
です。

2. その子を責めにくくなるから

できない理由を探さずにいると、
どうしても評価は
本人の側へ寄りやすくなります。

  • やる気がない
  • 頑固
  • 反抗的
  • 切り替えが悪い

でも、理由を先に探すと、
見え方が変わります。

見通しが弱かったのかもしれない。
支援者の声かけが多かったのかもしれない。
感覚刺激が強かったのかもしれない。
身体不快があったのかもしれない。

そうなると、
「この子が悪い」ではなく、
この場面のどこが通りにくかったのか
という見方に変わります。

3. 支援の修正点が見えるから

できない理由が見えると、
支援のどこを変えればいいかも見えてきます。

たとえば、

  • 言葉を減らす
  • 順番を小さく分ける
  • 先に終わりを示す
  • 刺激の少ない位置に変える
  • 時間帯をずらす
  • 身体面を先に整える

などです。

理由を見ずにいると、
支援はどうしても
「もっと頑張らせる」「もっと促す」
方向に寄りやすいです。

理由が見えると、
支援は
その子が通れる形へ組み替える方向
へ変わります。

4. 家庭での困りごとともつながるから

事業所でできないことと、
家でできないことが、
同じ構造を持っていることがあります。

たとえば、
着替えが止まる、
待てない、
トイレで崩れる、
食卓で落ち着かない。

これらも、
表面だけ見れば全部別の困りごとですが、
実際には

  • 見通しの弱さ
  • 感覚負荷
  • 身体不快
  • 言葉の重さ
  • 切り替え要求の強さ

など、共通した理由が隠れていることがあります。

だから、できない理由を探すことは、
その場の課題を通すためだけではなく、
生活全体の困りごとを理解すること
にもつながります。

児童発達支援・放課後等デイサービスでは、「できたかどうか」で見られやすい

児童発達支援や放課後等デイサービスでは、
どうしても
「活動に参加できたか」
「最後までできたか」
「指示が入ったか」
が評価されやすいです。

これは集団の中で見えやすいからです。
記録にも残しやすいですし、
保護者にも伝えやすいです。

でも、その見方だけだと、
できなかった時に
「どう通すか」が先に立ちやすくなります。

ふきのこでは、
そこに少しブレーキをかけます。

できなかった時は、
「何を足せばできるか」ではなく、
「何が重くて通れなかったのか」を見る。

そうしないと、
支援は結果の管理になりやすく、
その子の内側に近づきにくくなるからです。

支援全体の土台になる考え方は、
こちらの記事でも詳しく整理しています。
強度行動障害の支援方法|爆発前・爆発中・回復期の具体対応と判断設計

「できない」は、支援の失敗ではなく、見立ての入口です

ここはかなり大事です。

できない場面があると、
支援者も保護者も焦ります。

「やっぱり無理だった」
「またできなかった」
「どうしたらいいのか分からない」

そう感じるのは自然です。

でも、ふきのこでは、
できないこと自体を
失敗とは見ません。

むしろ、
そこにその子の困りごとが出ているなら、
それは支援の入口です。

どこで止まるのか。
何で重くなるのか。
どこまでなら通るのか。
何を減らせば少し動けるのか。

こうしたことを知るためには、
「できなかった場面」が必要なこともあります。

つまり、
できないことは、
単なる不足ではなく、
見立てを深くするための大事な情報
でもあります。

ふきのこの支援観では、「通すこと」より「通れない理由を読むこと」を重く見ます

ふきのこの支援観シリーズでは、
表面的な成功だけでなく、
通れない場面をどう読むかをかなり大切にしています。

なぜなら、
支援の質は
「何回通せたか」だけでは決まらないからです。

むしろ、
通れない場面で
どれだけ理由を読み違えずにいられるかで、
その後の支援の方向はかなり変わります。

通せなかった時に、
その子を押し込むのか。
それとも、
その場を通れない理由を見つけにいくのか。

ここに、支援観の違いがかなり出ます。

支援観シリーズ一覧は、こちらから見られます。
ふきのこの支援観

ふきのこで大切にしていること

ふきのこでは、
子どもができない時に、
すぐ「どうやって通すか」へ進みません。

そうではなく、

  • 何がその子を止めているのか
  • どこで重くなっているのか
  • どの段階までなら通るのか
  • 何を足しすぎていたのか
  • 何を減らせば入りやすくなるのか

を見ます。

大切なのは、
結果を押し込むことではなく、
その子が通れない理由を理解して、通れる形を一緒に作ること
です。

ふきのこの支援や事業所の概要については、
こちらをご覧ください。
ふきのこについて

まとめ

ふきのこが「できない理由」を先に探すのは、
できないことの背景には、
見通しの弱さ、感覚負荷、身体不快、言葉の重さなど、
その子なりの通れない理由が隠れていることが多いからです。

大切なのは、
「どうやってやらせるか」を急ぐことではなく、
何がその子を止めているのかを先に知ること
です。

その視点があると、
支援は押し込みではなく、
その子が通れる形を一緒に作っていくものへ変わっていきます。

       強度行動障害の支援方法を体系的にまとめています

       ▶ 強度行動障害の支援方法【構造・前兆・実践まで解説】        

報告する

関連記事一覧

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。