
▶ 強度行動障害の支援方法
ふきのこが「褒めれば伸びる」と単純に考えない理由
子どもの支援では、
「褒めることが大事」
と言われることがよくあります。
これは基本として間違っていません。
できたことを認める。
頑張りを受け取る。
安心できる関係の中で自信につなげる。
そうした関わりは、支援の中でとても大切です。
ですが、ふきのこでは、「褒めれば伸びる」と単純には考えません。
なぜなら、
子どもによっては、
褒められることそのものが負荷になることがあるからです。
また、
同じ「褒める」でも、
その子にとって支えになる場面と、
逆に不安や緊張や過覚醒を強める場面があります。
つまり、
褒めること自体が良いか悪いかではなく、
その褒め方が、その子にどう入るか
を見ないと、支援としては雑になります。
褒めることは大事です。でも、褒め方を間違えると重くなる子がいます
大人からすると、
褒めることは前向きな関わりです。
怒るよりいい。
否定するよりいい。
できたことを受け取る方がいい。
これはその通りです。
でも、子どもに入るものは、
大人の意図だけでは決まりません。
たとえば、
- 注目されるのが苦手な子
- 見られると固まりやすい子
- 頑張ってぎりぎりで通している子
- 期待を感じると不安が強くなる子
- 感情が上がりやすい子
では、
褒められることがそのまま安心や自信になるとは限りません。
むしろ、
- 見られている感じが強くなる
- 次もやらなければという圧になる
- 注目が集まって過覚醒になる
- ぎりぎり保っていたものが崩れる
ことがあります。
だから、ふきのこでは、
褒めるかどうかより前に、
その子にとって褒められることがどういう体験になっているか
を見ます。
ふきのこが見ているのは「褒めたかどうか」ではなく「褒めがどう作用したか」です
ふきのこでは、
子どもを褒める場面でも、
ただ「良い関わりをした」とは考えません。
それよりも、
- 褒めたあとに表情がどう変わったか
- 少し安心したのか、逆に固くなったのか
- 落ち着いたのか、上がりすぎたのか
- 次の行動につながったのか、止まったのか
- その場ではよくても後から反動が出ていないか
を見ます。
つまり、
褒めること自体を評価するのではなく、
その褒めが、その子を支えたのか、重くしたのか
を見ます。
この視点がないと、
一般論として正しい関わりをしているつもりで、
実際にはその子を苦しくしていることがあります。
なぜ「褒めれば伸びる」と単純に考えると危ないのか
1. 褒めが「注目の圧」として入る子がいるからです
褒めるということは、
多くの場合、その子に注意を向けることです。
「できたね」
「すごいね」
「頑張ったね」
これらは温かい言葉ですが、
注目に弱い子にとっては、
その瞬間に視線や期待が集まる感じが強くなります。
すると、
本人の中では安心より先に
緊張が上がることがあります。
2. 褒めが「次もやれ」という要求に聞こえることがあるからです
子どもによっては、
褒められたことを
単なる承認ではなく、
- 次もこれを求められている
- また同じようにやらないといけない
- うまくできる自分でいないといけない
という形で受け取ることがあります。
特に、
頑張ってぎりぎりで通した場面では、
褒めが安心ではなく
プレッシャーになることがあります。
3. その場の成功だけを強く意味づけしやすいからです
褒めると、
その一回の成功が大きな意味を持ちやすくなります。
でも実際には、
その成功が
- かなりの我慢の上に成り立っていた
- たまたま条件がよかった
- 本人の余裕をかなり使っていた
だけかもしれません。
そこで強く褒めると、
その子にとっては
「たまたま通した一回」が重く残ることがあります。
4. 支援者が“褒めればいい”で思考停止しやすいからです
褒めることは、
支援者にとってやりやすい関わりでもあります。
そのため、
何かうまくいった時に
「とりあえず褒めよう」
で終わりやすいです。
でも本当に見たいのは、
- なぜその場面は通ったのか
- 何が支えになっていたのか
- 次も同じ形でよいのか
- 本人に無理はなかったのか
です。
褒めることが先に立つと、
この見立てが浅くなりやすい。
だから、ふきのこでは慎重に見ます。
児童発達支援・放課後等デイサービスでは、「褒める」が善として固定されやすいです
児童発達支援や放課後等デイサービスでは、
肯定的な関わりが重視されます。
それ自体は大切です。
でも、その流れの中で、
「褒める」はほとんど無条件に良いものとして扱われやすいことがあります。
すると、
- 褒めたあとに崩れた
- 褒めると逆に上がりすぎる
- 褒められると不自然になる
といったことが起きても、
「たまたまかな」で流されやすいです。
ふきのこでは、
こういう小さなズレをかなり大事にします。
なぜなら、
そこにその子固有の支え方のヒントがあるからです。
支援全体の土台になる考え方は、
こちらの記事でも詳しく整理しています。
強度行動障害の支援方法|爆発前・爆発中・回復期の具体対応と判断設計
ふきのこでは、「褒める・褒めない」ではなく「どう受け取られるか」を見ます
ここが一番大事です。
ふきのこは、
褒めること自体を否定したいわけではありません。
むしろ、
子どもが安心して受け取れる形なら、
認めることはとても大切です。
ただし、
その形は子どもによって違います。
たとえば、
- その場で大きく褒めない方がいい子
- さらっと受け取るくらいがちょうどいい子
- 終わった後に静かに伝える方がいい子
- 言葉より表情や距離感の方が入りやすい子
がいます。
つまり、
「褒めるかどうか」ではなく、
どんな承認ならその子にとって支えになるか
を見る必要があります。
ふきのこの支援観では、「良いとされる関わり」ほど、その子に合うかを見直します
ふきのこの支援観シリーズでは、
一般論として正しいとされる関わりを、
そのまま全員に当てないことを大切にしています。
褒めることもその一つです。
一般には良いとされる。
でも、その子には重いことがある。
だから、ふきのこでは、
褒める時ほど
その後の反応を見ます。
安心になったのか。
負荷になったのか。
その子に合う受け取り方だったのか。
そこを丁寧に見ていきます。
支援観シリーズ一覧は、こちらから見られます。
ふきのこの支援観
ふきのこで大切にしていること
ふきのこでは、
「褒めれば伸びる」と単純には考えません。
そうではなく、
- その子にとって褒めがどう入るのか
- 注目が重くなっていないか
- 期待の圧になっていないか
- 安心につながっているか
- その子に合う承認の形は何か
を見ます。
大切なのは、
一般論として正しい関わりを当てることではなく、
その子にとって本当に支えになる受け取り方を探すこと
です。
ふきのこの支援や事業所の概要については、
こちらをご覧ください。
ふきのこについて
まとめ
ふきのこが「褒めれば伸びる」と単純に考えないのは、
褒めることが子どもによっては注目の圧や期待の重さとして入り、
必ずしも安心や成長につながるとは限らないからです。
大切なのは、
褒めること自体を目的にすることではなく、
その子にとってどんな承認が支えになるのかを丁寧に見ること
です。
その視点があると、
支援は一般論の当てはめではなく、
その子に合う関わり方を細かく整えていくものへ変わっていきます。
強度行動障害の支援方法を体系的にまとめています

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