
具体的な支援の組み立て方や現場での対応手順については、以下の専門ページで詳しく解説しています。
▶ 強度行動障害の支援方法
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順番待ちで叩く行動|注意中心の対応が失敗した支援事例(小学2年)
この記事では、順番待ち場面で起きた「叩く他害行動」について、
最初の対応がなぜ失敗したのかを分析し、環境調整による改善の兆しまで整理します。
強度行動障害支援の基本となる視点については
強度行動障害の支援方法
でも詳しく解説しています。
ケース概要
- 小学2年生
- 自閉スペクトラム症
- 軽度知的障害
- 発語あり
室内遊びの順番待ち場面で、前に並ぶ児童の肩や背中を叩く行動が見られていました。
人気遊具の順番待ちで、待ち時間は状況により変動していました。
問題行動
- 順番待ち中に突然叩く
- 叩いた後に笑う
- 列から飛び出す
初期対応(失敗)
当初は次の対応を行いました。
- 叩いたら注意する
- 「順番だよ」と説明する
- 列に戻す
しかし行動は減らず、むしろ叩く頻度は増加しました。
なぜ失敗したのか(機能分析)
観察を重ねると次の前兆がありました。
- 身体を前後に揺らす
- 前の児童の背中を凝視する
- 足踏み
- 待ち時間が長くなると落ち着かなくなる
行動をABCの枠組みで整理すると次のようになります。
- A(先行事象):順番待ち・待ち時間の不確実性
- B(行動):叩く
- C(結果):職員が注目・場面が一時中断
つまりこの行動は
「待機負荷からの逃避」+「注目獲得」
という複合機能で維持されていた可能性がありました。
注意中心の対応は結果的に行動を強化してしまった可能性があります。
支援の再設計
次の環境調整を行いました。
- 順番カードを提示(自分の番までの人数を視覚化)
- 待ち時間の短縮
- 待機場所で手を使う小課題を用意
- 叩く前兆が見られた段階で位置調整
また、叩く行動の代替として
- 「まだ?」カード
- 「見て」ジェスチャー
などの要求行動を教える支援を行いました。
結果
- 叩く行動は減少
- 前兆段階で落ち着く場面が増加
- カードによる要求が見られるようになった
完全な消失には至っていませんが、叩く以外の行動が増え始め、改善の兆しが見られています。
このケースからの学び
- 注意は行動の強化子になることがある
- 順番待ちは不確実性が高く負荷が大きい
- 叩いた後ではなく前兆段階での介入が重要
- 代替行動を教えることで行動の置き換えが可能になる
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他の支援事例については、今後公開予定の
ケーススタディデータベースからも確認できるよう整理していく予定です。
強度行動障害の支援方法を体系的にまとめています

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