誤学習ケース⑩ 要求が通ることで固定される問題行動

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具体的な支援の組み立て方や現場での対応手順については、以下の専門ページで詳しく解説しています。
強度行動障害の支援方法

誤学習ケース⑩ 要求が通ることで固定される問題行動

強度行動障害の支援現場では、問題行動の後に本人の要求が通る場面があります。

例えば次のような状況です。

「お菓子が欲しい」
「帰りたい」
「活動をやめたい」

このような要求が通らないとき、本人が騒いだり暴れたりすることがあります。

支援者は状況を落ち着かせるために、結果として要求を受け入れることがあります。

しかしこの経験が繰り返されると、問題行動は学習されます。

これが要求成立による誤学習です。

問題行動と要求成立の構造

この誤学習の構造はシンプルです。


問題行動 → 要求成立 → 行動強化

例えば次のような流れです。

  • 帰りたいと騒ぐ
  • 支援者が帰宅を認める
  • 帰りたいときは騒げばよいと学習する

この経験が積み重なると、問題行動は要求を通す手段として固定されていきます。

よくある場面

この誤学習は、日常のさまざまな場面で起こります。

  • 騒ぐとお菓子がもらえる
  • 暴れると活動が終わる
  • 泣くと要求が通る
  • 大声を出すと支援者が譲る

一度でも成功体験があると、行動は学習されます。

逃避強化との関係

この誤学習は、逃避強化と密接に関係しています。

嫌な課題や状況から逃げるために行動が起き、その結果として課題が中断されると、行動は強化されます。

詳しくはこちらの記事でも解説しています。


誤学習ケース② 他害で宿題回避が学習されたケース

トリガーと前兆の理解

問題行動は突然起きているわけではありません。

多くの場合、行動の前にはトリガーと前兆サインがあります。

例えば次のような流れです。


課題提示(トリガー)

不安や緊張(前兆)

騒ぐ(行動)

この段階で支援が入れば、問題行動を防ぐことができる場合があります。

詳しくはこちらの記事で解説しています。


強度行動障害のトリガーとは


強度行動障害の前兆サイン

支援で重要な視点

要求そのものは悪いものではありません。

重要なのは、どのような方法で要求が通るのかという点です。

問題行動の後に要求が通る経験が続くと、行動は固定されます。

そのため支援では、問題行動ではなく適切な方法で要求を伝える経験を増やすことが重要です。

まとめ

問題行動の後に要求が通る経験は、行動を強化してしまうことがあります。

強度行動障害の支援では、行動の後ではなく行動の前にあるトリガーや前兆を理解することが重要です。

そして問題行動ではなく、適切な方法で要求が伝わる経験を積み重ねることが支援の鍵になります。

       強度行動障害の支援方法を体系的にまとめています

       ▶ 強度行動障害の支援方法【構造・前兆・実践まで解説】        

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