
▶ 強度行動障害の支援方法
【誤学習ケース】
本記事では、強度行動障害の支援現場で起きやすい誤学習(支援が行動を固定してしまう構造)を解説します。
今回は「止められると余計に叩きたくなる構造(感覚強化)」について整理します。
誤学習ケース㉒|止められると余計に叩きたくなる構造(感覚強化)
強度行動障害の支援では、次のような行動が見られることがあります。
- 机を叩き続ける
- 壁を叩く
- 床を強く踏み鳴らす
- 同じ動きを繰り返す
このような行動は、必ずしも要求や注目によって起きているとは限りません。
場合によっては、行動そのものが感覚刺激になっていることがあります。
行動の構造
行動は通常、次の関係で理解されます。
A(状況) → B(行動) → C(結果)
しかし感覚強化では少し構造が異なります。
B(行動) → 感覚刺激
つまり
行動そのものが報酬
になっています。
例えば
- 叩いたときの振動
- 音
- 手の感覚
これらが刺激として強化されることがあります。
止めると強くなる理由
支援者が次のように対応することがあります。
- 手を押さえる
- 「やめよう」と声を掛ける
- 身体を止める
しかしこの対応によって、次の変化が起きることがあります。
- 行動の回数が増える
- 叩く力が強くなる
- より激しく繰り返す
これは行動が阻止されることで刺激が不足するためです。
その結果、子どもは
より強い刺激を求める
ようになることがあります。
現場で起きる典型パターン
叩く
↓
止められる
↓
刺激が不足する
↓
もっと強く叩く
このような刺激追求の循環が起きることがあります。
他の誤学習との違い
これまでの誤学習ケースでは、次のような結果が関係していました。
- 注目が得られる
- 要求が通る
- 嫌な状況が消える
しかし感覚強化では
行動そのものが報酬
になります。
そのため、対応の考え方も異なります。
支援の修正方法
①刺激の代替を作る
同じような感覚を得られる活動を用意します。
- クッション叩き
- 運動活動
- 重い物を押す
②感覚調整を行う
活動量や感覚刺激が不足している場合、運動や活動を増やすことが必要になる場合があります。
③環境を整理する
叩く対象になりやすい環境を整理することで、行動を減らすことができる場合があります。
まとめ
強度行動障害の支援では、行動の原因を要求や注目だけで考えてしまうことがあります。
しかし状況によっては
行動そのものが刺激になっている
場合があります。
支援では
- 行動の機能を理解する
- 感覚刺激の代替を作る
- 環境を調整する
といった視点が重要になります。
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