誤学習ケース㉒|止められると余計に叩きたくなる構造(感覚強化)

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具体的な支援の組み立て方や現場での対応手順については、以下の専門ページで詳しく解説しています。
強度行動障害の支援方法

【誤学習ケース】
本記事では、強度行動障害の支援現場で起きやすい誤学習(支援が行動を固定してしまう構造)を解説します。
今回は「止められると余計に叩きたくなる構造(感覚強化)」について整理します。

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誤学習ケース㉒|止められると余計に叩きたくなる構造(感覚強化)

強度行動障害の支援では、次のような行動が見られることがあります。

  • 机を叩き続ける
  • 壁を叩く
  • 床を強く踏み鳴らす
  • 同じ動きを繰り返す

このような行動は、必ずしも要求や注目によって起きているとは限りません。

場合によっては、行動そのものが感覚刺激になっていることがあります。


行動の構造

行動は通常、次の関係で理解されます。

A(状況) → B(行動) → C(結果)

しかし感覚強化では少し構造が異なります。

B(行動) → 感覚刺激

つまり

行動そのものが報酬

になっています。

例えば

  • 叩いたときの振動
  • 手の感覚

これらが刺激として強化されることがあります。


止めると強くなる理由

支援者が次のように対応することがあります。

  • 手を押さえる
  • 「やめよう」と声を掛ける
  • 身体を止める

しかしこの対応によって、次の変化が起きることがあります。

  • 行動の回数が増える
  • 叩く力が強くなる
  • より激しく繰り返す

これは行動が阻止されることで刺激が不足するためです。

その結果、子どもは

より強い刺激を求める

ようになることがあります。


現場で起きる典型パターン

叩く

止められる

刺激が不足する

もっと強く叩く

このような刺激追求の循環が起きることがあります。


他の誤学習との違い

これまでの誤学習ケースでは、次のような結果が関係していました。

  • 注目が得られる
  • 要求が通る
  • 嫌な状況が消える

しかし感覚強化では

行動そのものが報酬

になります。

そのため、対応の考え方も異なります。


支援の修正方法

①刺激の代替を作る

同じような感覚を得られる活動を用意します。

  • クッション叩き
  • 運動活動
  • 重い物を押す

②感覚調整を行う

活動量や感覚刺激が不足している場合、運動や活動を増やすことが必要になる場合があります。


③環境を整理する

叩く対象になりやすい環境を整理することで、行動を減らすことができる場合があります。


まとめ

強度行動障害の支援では、行動の原因を要求や注目だけで考えてしまうことがあります。

しかし状況によっては

行動そのものが刺激になっている

場合があります。

支援では

  • 行動の機能を理解する
  • 感覚刺激の代替を作る
  • 環境を調整する

といった視点が重要になります。


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