
▶ 強度行動障害の支援方法
誤学習ケース㊶|場面依存学習(場所が変わると行動ができなくなる構造)
子どもの行動を見ていると、次のような場面があります。
- 家ではできるのに学校ではできない
- 特定の先生の前ではできる
- 環境が変わると急に行動が止まる
このような現象は珍しくありません。
能力の問題のように見えますが、実際には学習の構造として説明できることがあります。
これをここでは場面依存学習と呼びます。
場面依存学習とは何か
場面依存学習とは、特定の環境・人物・状況の中でのみ行動が成立し、それ以外の場面では行動が起きなくなる学習構造です。
つまり子どもは次のように学習しています。
この場所ではこの行動をする
そして同時に次の学習も起きています。
この場所ではやらない
結果として、行動は環境に強く結びつきます。
行動分析から見た構造
行動分析では、行動は弁別刺激(discriminative stimulus)によって起きると考えます。
弁別刺激とは、行動が起きる条件となる環境の手がかりです。
例えば次のようなものです。
- 場所
- 人
- 時間
- 活動
子どもはこれらを手がかりとして行動を選択しています。
そのため、環境が変わると行動が起きなくなることがあります。
なぜこの学習は起きるのか
場面依存学習は、行動がでしか練習されていないときに起きやすくなります。
例えば次のような状況です。
- 同じ部屋でしか活動しない
- 同じ支援者だけが関わる
- 同じ手順でしか練習しない
この環境では、子どもは次のように学習します。
この条件のときだけやる
つまり行動がされます。
ケース
ある子どもは、施設では落ち着いて食事をしていました。
しかし学校では次の行動が見られました。
- 席に座れない
- 食事を拒否する
- 活動が続かない
能力が違うわけではありません。
違うのはです。
子どもは施設で次の学習をしていました。
この場所では食事をする
しかし学校では、その学習が成立していませんでした。
なぜ問題行動に見えるのか
場面依存学習が起きると、大人は次のように感じます。
- わざとやっている
- 場所によって態度を変える
- 言うことを聞かない
しかし実際には、子どもは単に
行動が起きる条件を学習している
だけです。
支援で重要な視点
場面依存学習を防ぐためには、行動をが重要です。
具体的には次の支援が有効です。
- 場所を変えて練習する
- 複数の支援者が関わる
- 活動条件を少しずつ変える
これをと呼びます。
つまり支援とは、
どこでもできる行動を作ること
とも言えます。
問題行動の構造を理解する
問題行動は突然起きるのではなく、環境との関係の中で形成されます。
問題行動の基本構造については、こちらの記事で詳しく解説しています。
また、強度行動障害の支援方法については次の記事で体系的に解説しています。
強度行動障害の支援方法を体系的にまとめています

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