誤学習ケース㉔|ルール変更で問題行動が増える構造(強度行動障害)

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具体的な支援の組み立て方や現場での対応手順については、以下の専門ページで詳しく解説しています。
強度行動障害の支援方法

誤学習ケース㉔|ルール変更で問題行動が増える構造(強度行動障害)

強度行動障害の支援では、支援者側の対応の違いが問題行動を強化してしまうことがあります。

特に多いのが

「昨日はOKだったのに今日はダメ」

というルールの変化です。

このような状況では、子どもは何が正しいのか分からなくなり、
結果として問題行動が増えていくことがあります。

問題行動が起きる基本構造については
問題行動はなぜ起きるのか|トリガー→前兆→行動→誤学習の構造
でも解説しています。


現場で起きていた状況

対象となる児童は小学3年生。
自閉スペクトラム症と知的障害があり、強度行動障害の特性が見られる子どもでした。

放課後の活動時間にタブレットを使用する場面があり、
一定時間使用した後は片付けるというルールになっていました。

しかしある日、次のような状況が起きました。

  • 前日は時間を過ぎても使用できた
  • 別の支援者が対応していた
  • 「今日は特別ね」と言われた

翌日、同じ児童が同じように使い続けようとした際、
別の支援者が次のように伝えました。

「もう終わりだよ」
「時間だから片付けよう」

すると児童は突然強い反応を示しました。

  • タブレットを強く握る
  • 大声を出す
  • 机を叩く
  • 床に伏せる

その後、完全なパニック状態に入りました。


なぜ問題行動が起きたのか

このケースでは、子ども側から見ると次のような状況になっています。

  • 昨日はOKだった
  • 今日はダメと言われた

つまり

ルールが変化している

という状況です。

自閉スペクトラム症の子どもは、
ルールやパターンの安定性を強く求める傾向があります。

そのため

  • ルールが変わる
  • 基準が曖昧になる
  • 予測できなくなる

この3つが重なると、不安や混乱が急激に高まりやすくなります。


行動分析の視点

このケースを行動分析の視点で見ると、
問題は行動そのものではなく

弁別刺激の崩れ

にあります。

弁別刺激とは

  • この状況ではOK
  • この状況ではダメ

という行動の基準になる情報です。

しかし支援者によって対応が変わると、
この基準が崩れてしまいます。

その結果、子どもは次のような行動を取りやすくなります。

  • 強い行動を出す
  • 要求を通そうとする
  • パニックになる

こうして問題行動が強化されていきます。

誤学習が形成される構造については
誤学習ケース① 他害で宿題を回避できた経験
でも解説しています。


現場で起きやすいパターン

ルール変更による誤学習は、次の場面で特に起きやすくなります。

  • スマホ・タブレット使用
  • ゲーム時間
  • おやつ
  • 外遊び
  • 帰宅時間

つまり

好きな活動

に関係する場面です。

好きな活動ほど、
ルールの一貫性が崩れると問題行動が起きやすくなります。


支援で重要なポイント

このタイプの誤学習を防ぐために重要なのは、

支援の一貫性

です。

  • ルールを明確にする
  • 支援者間で共有する
  • 例外を減らす

特に

「今日は特別」

という対応は、強度行動障害の支援では
慎重に扱う必要があります。

例外が増えるほど、
子どもにとって世界は予測できないものになっていきます。


まとめ

強度行動障害の支援では、
問題行動だけを見るのではなく、

支援の構造

を分析することが重要です。

今回のケースでは

  • ルール変更
  • 支援者間の対応差
  • 予測不能な環境

これらが重なり、問題行動が強化されていました。

誤学習の構造を理解することは、
問題行動を減らすだけでなく、
子どもが安心して過ごせる環境を作るためにも重要です。

       強度行動障害の支援方法を体系的にまとめています

       ▶ 強度行動障害の支援方法【構造・前兆・実践まで解説】        

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