ふきのこが「良かれと思った支援」が逆効果になる場面を大切にする理由

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具体的な支援の組み立て方や現場での対応手順については、以下の専門ページで詳しく解説しています。
強度行動障害の支援方法

ふきのこが「良かれと思った支援」が逆効果になる場面を大切にする理由

子どもの支援では、
大人はたいてい、悪気があって関わるわけではありません。

むしろほとんどの場合、

  • 安心させたい
  • 落ち着かせたい
  • 分かりやすくしたい
  • 成功体験につなげたい
  • 少しでも前に進めたい

という、まっすぐな意図で動いています。

だからこそ、支援の場で難しいのは、
明らかに乱暴な関わりよりも、
良かれと思ってやったことが、結果としてその子を苦しくしてしまう場面です。

たとえば、
優しく声をかけたのに逆に崩れる。
励ましたのに固まる。
選ばせたのに混乱する。
手伝ったのに怒る。
褒めたのに不安定になる。

こうしたことは、珍しくありません。

ですが、こういう場面は
「支援したのに崩れた」
と見えやすいため、
そのまま流されやすくもあります。

ふきのこでは、この“善意なのに逆効果になった場面”をかなり重く見ます。

なぜなら、
そこには
その子に合う支援と合わない支援を分ける、
非常に重要なヒントが隠れているからです。

支援は「正しいこと」をしたかどうかではなく、「その子にどう入ったか」で決まります

支援の現場では、
よく
「丁寧に関わる」
「分かりやすく伝える」
「安心できるよう配慮する」
といったことが大切にされます。

これは基本として間違っていません。

でも、問題はそこから先です。

同じ“丁寧な関わり”でも、
ある子には安心になりますが、
別の子には圧になります。

同じ“分かりやすい説明”でも、
ある子には見通しになりますが、
別の子には情報量が多すぎて重くなります。

同じ“優しい励まし”でも、
ある子には支えになりますが、
別の子には
「今すぐやれ」
という要求として入ることがあります。

つまり、
支援は
「一般的に正しいことをしたか」
では決まりません。

大切なのは、
それがその子に、その瞬間、どう入ったか
です。

ふきのこが逆効果の場面を重く見るのは、
まさにここを見たいからです。

良かれと思った支援が逆効果になるのは、支援が悪いからではなく、噛み合っていないからです

ここはかなり重要です。

逆効果になった場面を見る時、
大人はつい
「やり方が悪かったのでは」
「自分の支援が未熟だったのでは」
と考えがちです。

もちろん、改善が必要なことはあります。

でも、ふきのこでは、
まずそこを
“良い・悪い”
で単純に見ません。

そうではなく、

  • 今のその子には重かったのではないか
  • タイミングが遅かったのではないか
  • 情報量が多かったのではないか
  • 言葉より先に別の調整が必要だったのではないか
  • その支援は正しくても、今この場面には合っていなかったのではないか

と考えます。

つまり、
逆効果の場面は
「支援者が悪い」
ではなく、
支援と状態の噛み合わなさが見えた場面
として見ます。

逆効果になりやすい“よくある善意”があります

ふきのこでは、現場でよく起きる逆効果のパターンをかなり意識しています。

たとえば、こうしたものです。

1. 安心させようとして言葉を増やしすぎる

不安そうだから、
たくさん説明する。
優しく何度も言う。
励ましながら促す。

これは一見、とても丁寧です。

でも、子どもがすでに上がっている時には、
その言葉の量自体が負荷になることがあります。

本人からすると、
安心ではなく
「ずっと何か言われ続けるしんどさ」
になることがあります。

2. 選ばせることで尊重しようとして、逆に負荷を上げる

選択肢を出すことは、
主体性を大切にする関わりとしてよく使われます。

でも、余裕がない時の子どもにとっては、
選ぶことそのものが負荷になることがあります。

特に、

  • 今すでに不安が高い
  • 切り替え直前でしんどい
  • どちらを選んでも納得しにくい

という場面では、
選択肢は自由ではなく、
混乱や圧として入ることがあります。

3. 成功体験を作ろうとして押しすぎる

「ここで少し通せたら自信になるかもしれない」
という気持ちで、
一歩押してみることがあります。

これは支援として自然な発想です。

でも、その子が今
“ちょうど通れない理由”
の真ん中にいるなら、
その一歩は支援ではなく押し込みになります。

結果として、
できたかどうか以前に、
その場自体が嫌な経験になってしまうことがあります。

4. 褒めることで安定させようとして、逆に上がる

褒めること自体は大切です。
でも、子どもによっては、
褒められることで注目が強まり、
逆に不安定になることがあります。

また、
頑張ってぎりぎりで通していた子にとっては、
褒められることで
「もっとやらなければ」
「見られている」
が強くなることもあります。

つまり、
一般的には良いとされる関わりでも、
その子にとっては重く入ることがあります。

逆効果の場面は、その子に合う支援を知るための非常に大事な材料です

ふきのこが逆効果の場面を重く見るのは、
そこに失敗があるからではありません。

そこに、
その子にとって何が重いかが、かなりはっきり出るからです。

たとえば、

  • 説明が長いと崩れる → 情報量が重いのかもしれない
  • 選択肢で止まる → 決定負荷が重いのかもしれない
  • 褒めると上がる → 注目そのものが負荷かもしれない
  • 手伝うと怒る → 主導権を奪われる感じが強いのかもしれない

こうして見ると、
逆効果になった場面は、
その子に合わない関わりを教えてくれるだけではありません。

何を減らすといいのか、
どこを変えると入りやすいのか、
何を避けるべきかも見えてきます。

つまり、
逆効果の場面は
支援の精度を上げるための重要な観察点
なのです。

児童発達支援・放課後等デイサービスでは、“良かれと思った支援”が見直されにくいことがあります

児童発達支援や放課後等デイサービスでは、
支援者は基本的に善意で動いています。

そして善意であるほど、
その関わりを見直しにくいことがあります。

なぜなら、

  • 優しくした
  • 丁寧に伝えた
  • 支えようとした
  • 頑張って関わった

という実感が強いからです。

でも、子どもにとって重要なのは、
大人の意図ではなく、
その関わりがどう入ったかです。

だから、ふきのこでは
「良かれと思ったのに崩れた」場面を、
そのまま
「本人が不安定だった」
で終わらせません。

むしろ、
そこにこそ見直しのポイントがあると考えます。

支援全体の土台になる考え方は、
こちらの記事でも詳しく整理しています。
強度行動障害の支援方法|爆発前・爆発中・回復期の具体対応と判断設計

大切なのは「もう何もしない」ことではなく、「何がその子にとって重いのかを知る」ことです

ここは誤解されやすいところです。

逆効果の場面を重く見ると言うと、
「じゃあ何もしない方がいいのか」
という話ではありません。

そうではなく、
大切なのは
何がその子にとって支えになり、何が重くなるのかを見分けること
です。

同じ“優しい声かけ”でも、
短い一言なら入る子もいます。
同じ“手伝い”でも、
先に予告があると大丈夫な子もいます。
同じ“褒める”でも、
その場ではなく後で伝える方が落ち着く子もいます。

つまり、
逆効果の場面を見ることは、
関わりをやめるためではなく、
その子に合う関わり方へ調整していくため
に必要です。

ふきのこの支援観では、「うまくいかなかった場面」も価値のある場面です

ふきのこの支援観シリーズでは、
うまくいった場面だけでなく、
うまくいかなかった場面もかなり大事にします。

特に、
善意で関わったのに崩れた場面は、
その子の支援の難しさが出る一方で、
その子に合う支援の輪郭も出やすい場面です。

だから、ふきのこでは
「良かれと思ってやったのにだめだった」
を、ただの残念な出来事とは見ません。

それは、
支援をもう一段、その子に合わせるための入口
だと考えています。

支援観シリーズ一覧は、こちらから見られます。
ふきのこの支援観

ふきのこで大切にしていること

ふきのこでは、
良かれと思った支援が逆効果になった場面を、
「うまくいかなかった」で終わらせません。

そうではなく、

  • 何がその子にとって重かったのか
  • どこで支援が圧になったのか
  • 何を減らせばよかったのか
  • 何なら入りやすかったのか
  • 次にどう調整すればよいか

を見ます。

大切なのは、
善意で関わったかどうかだけではなく、
その支援がその子にとって支えになったかどうか
です。

ふきのこの支援や事業所の概要については、
こちらをご覧ください。
ふきのこについて

まとめ

ふきのこが「良かれと思った支援」が逆効果になる場面を大切にするのは、
そこに、その子に合う支援と合わない支援を分ける大きなヒントが隠れているからです。

大切なのは、
「善意だったから良い支援」と考えることではなく、
その関わりがその子にどう入ったかを丁寧に見直すこと
です。

その視点があると、
うまくいかなかった場面も、
ただの失敗ではなく、
支援をその子に近づけるための大事な材料へ変わっていきます。

       強度行動障害の支援方法を体系的にまとめています

       ▶ 強度行動障害の支援方法【構造・前兆・実践まで解説】        

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