ふきのこが「活動参加できた」で満足しない理由

parenting
具体的な支援の組み立て方や現場での対応手順については、以下の専門ページで詳しく解説しています。
強度行動障害の支援方法

ふきのこが「活動参加できた」で満足しない理由

児童発達支援や放課後等デイサービスでは、
子どもが活動に参加できたかどうかは、
かなり分かりやすい評価軸になりやすいです。

たとえば、

  • 制作に参加できた
  • レクリエーションに入れた
  • 最後まで席にいられた
  • みんなと同じ流れで動けた
  • 途中で離れずに通せた

こうしたことがあると、
支援者も保護者も
「今日は参加できた」
「よかった」
と受け取りやすくなります。

もちろん、それ自体は大切です。
まったく意味がないわけではありません。
活動の場に入れたこと、
その時間を過ごせたこと、
その子なりに何かしら関われたことには、
確かに価値があります。

ですが、ふきのこでは、「活動参加できた」だけで支援を評価しません。

なぜなら、
参加できたことと、
その子にとって意味のある支援だったことは、
必ずしも同じではないからです。

活動に入れていても、
実際にはかなり無理をしていたかもしれない。
固まりながらその場にいたのかもしれない。
見られていることで逃げられずにいただけかもしれない。
終わったあとに大きな反動が出たかもしれない。

つまり、
「参加できた」は大事な一つの事実ですが、
それだけでは
その子に何が起きていたのか
は分かりません。

活動参加は“見えやすい成果”だからこそ、読み違えやすいです

子どもの支援で活動参加が重視されやすいのは、
見た目で分かりやすいからです。

参加しているか、
離れているか。
座っているか、
離席しているか。
手を動かしているか、
止まっているか。

こうしたことは観察しやすく、
記録にも残しやすいです。
保護者にも伝えやすいです。

でも、分かりやすいものほど、
支援では危ういことがあります。

なぜなら、
外から見える参加と、
内側で起きていることは一致しないことがあるからです。

たとえば、
一見座って参加していても、

  • 視線は止まっている
  • 表情が固い
  • 手だけ動かしている
  • 声をかけられるたびに緊張している
  • 終わるまでひたすら耐えている

ということがあります。

逆に、
少し席を立つことはあっても、

  • 自分で戻れる
  • 周囲を見ながら関心を向けている
  • 支援者とのやり取りが通っている
  • 終わった後も大きく崩れない

なら、
その方がその子にとっては良い参加かもしれません。

つまり、
活動参加は
「いるかいないか」
だけで見るとかなり雑になります。

ふきのこが見ているのは「参加できたか」ではなく「どう参加していたか」です

ふきのこでは、
子どもが活動に参加していた時ほど、
その中身を見ます。

確認するのは、

  • 表情はやわらかかったか
  • 視線は自然に動いていたか
  • 自分から少しでも関心が向いていたか
  • 支援者の関わりは重すぎなかったか
  • その子なりのペースが守られていたか
  • 終わった後に疲れや反動が出ていないか

です。

つまり、
活動に入ったことそのものより、
その参加がその子にとって無理のない形だったか
を見ます。

同じ参加でも、
意味はかなり違います。

支援者がずっと横で支えて、何とか通した参加。
本人が少しずつ安心して入っていけた参加。
見られていて固まりながら通した参加。
楽しくて自分から手が出ていた参加。

これらを全部同じ「参加できた」でまとめると、
支援はかなり浅くなります。

なぜ「活動参加できた」で満足すると危ないのか

1. 我慢や固まりを成功と誤読しやすいからです

活動に最後までいた。
席に座っていた。
手を動かしていた。

こうした見た目があると、
大人はどうしても
「できた」
と捉えやすいです。

でも実際には、
固まっていただけ、
周囲に圧倒されて動けなかっただけ、
見られていて抜けられなかっただけ、
ということがあります。

それを成功として積み重ねると、
支援はその子を理解する方向ではなく、
見た目を整える方向へ寄りやすくなります。

2. 支援者側の都合で評価しやすいからです

活動参加が重視されやすい背景には、
支援者側の運営しやすさもあります。

集団活動が止まらない。
全体の流れが回る。
他児への影響が少ない。
予定通り進む。

これは現場として大切なことです。

でも、その都合と
子どもにとって良い支援だったことは、
必ずしも同じではありません。

だから、ふきのこでは
「活動に参加していたからよかった」
とは簡単に言いません。

その参加が
支援者側にとって都合がよかっただけではないか、
という視点も持ちます。

3. 反動や家庭でのしんどさを見落としやすいからです

活動中は何とか参加していても、
帰宅後に一気に崩れる子がいます。

たとえば、

  • 帰宅後に荒れる
  • 食事で止まる
  • 入浴で強く拒否が出る
  • 寝る前に不安定になる
  • 翌日に疲れが残る

こうしたことがあるなら、
その日の活動参加は
本当にその子に合った参加だったのか、
見直す必要があります。

だから、ふきのこでは
その場だけで評価を完結させません。

4. 本人の興味や主体性が見えなくなるからです

活動に参加しているように見えても、
本当にその子が活動とつながっているとは限りません。

手を動かしていても、
それが

  • ただ促されて動いているだけなのか
  • 周囲に合わせているだけなのか
  • 自分なりに意味を持って関わっているのか

では、支援の意味が違います。

活動参加だけを目標にすると、
主体性の薄い“参加っぽさ”を増やす方向へ寄りやすいです。

ふきのこでは、
その子が本当に少しでもつながれているかを見ます。

児童発達支援・放課後等デイサービスでは、活動参加が目標化しやすいです

児童発達支援や放課後等デイサービスでは、
どうしても
活動に入れるかどうかが、
支援の成否として見られやすいです。

それは、
集団活動という形を取ることが多く、
保護者にも
「今日は何をしましたか」
と聞かれやすいからです。

また、支援者側も
活動を通して
認知、運動、コミュニケーション、社会性などを育てようとします。

だから活動参加そのものを全否定する必要はありません。

でも問題は、
いつの間にか
参加すること自体が目的になってしまうこと
です。

ふきのこでは、
そこをかなり警戒しています。

活動は手段であって、
その子の安心や理解や生活の積み上がりにつながっていなければ、
見た目だけ整っても支援としては弱いからです。

支援全体の土台になる考え方は、
こちらの記事でも詳しく整理しています。
強度行動障害の支援方法|爆発前・爆発中・回復期の具体対応と判断設計

ふきのこでは、「入れる活動」に子どもを合わせるより、「その子が入れる形」に活動を変えます

ふきのこが大切にしているのは、
子どもを活動へ無理に合わせることではありません。

むしろ、

  • 人数を減らす
  • 時間を短くする
  • 順番を分ける
  • 見通しを強める
  • 一対一から始める
  • 活動のねらいは残しつつ形を変える

など、
その子が入りやすい形へ活動の方を調整します。

つまり、
「参加できる子にする」より、
参加しやすい条件を作る
ことを重視します。

この視点がないと、
活動参加は押し込みになりやすくなります。

ふきのこの支援観では、「参加」は結果ではなく“質”で見ます

ふきのこの支援観シリーズでは、
一見前向きな結果を、そのまま成功と固定しないことを大切にしています。

活動参加もその一つです。

参加できたことは大切。
でも、それだけでは足りない。

どんな状態で参加していたのか。
その子にとって意味のある関わり方だったのか。
無理はなかったか。
次にもつながる形だったか。

そこまで見て初めて、
参加が支援として意味を持ちます。

支援観シリーズ一覧は、こちらから見られます。
ふきのこの支援観

ふきのこで大切にしていること

ふきのこでは、
「活動参加できた」という結果だけで満足しません。

そうではなく、

  • どう参加していたのか
  • その子なりの関心はあったか
  • 無理や固まりはなかったか
  • 支援の量は適切だったか
  • その後に反動は出ていないか

を見ます。

大切なのは、
活動に入ったこと自体ではなく、
その参加がその子にとって意味のある形だったかどうか
です。

ふきのこの支援や事業所の概要については、
こちらをご覧ください。
ふきのこについて

まとめ

ふきのこが「活動参加できた」で満足しないのは、
参加できたことと、
その子にとって良い支援だったことは同じではないからです。

大切なのは、
参加の有無だけで評価することではなく、
どう参加していたのか、何が支えになっていたのか、無理はなかったのかまで見ること
です。

その視点があると、
支援は見た目の参加を増やすものではなく、
その子が意味を持って関われる形を少しずつ育てていくものへ変わっていきます。

       強度行動障害の支援方法を体系的にまとめています

       ▶ 強度行動障害の支援方法【構造・前兆・実践まで解説】        

報告する

関連記事一覧

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。