
自傷とは何か|自分を叩く・頭を打ちつける行動を性格で終わらせない視点
自傷に悩んでいるあなたへ
自分の頭を叩く。
壁に打ちつける。
自分の髪を引っ張る。
腕を強く噛む。
他害よりも、見ていて苦しいことがあります。
止めてもまた叩く。
なぜ自分を傷つけるのか分からない。
まず、ここだけははっきりさせます。
自傷は「自分が嫌いだから」起きているとは限りません。
多くの場合、それは神経が抱えきれなかった負荷の出口です。
自傷は「自己否定」ではなく「神経反応」の可能性がある
神経発達に特性のある子どもは、刺激処理のバランスが不均衡です。
- 感覚が鋭すぎる
- 逆に感覚が弱い
- 緊張の抜き方が分からない
- 衝動を抑える制御が弱い
この不均衡が強くなると、
身体への刺激でバランスを取ろうとすることがあります。
自傷は悪意ではなく、
神経の過負荷調整行動である可能性があります。
自傷と他害の違い
構造は似ています。
違うのは「向き」です。
外に向かうと他害、
内に向かうと自傷です。
他害との違いを整理したい場合は、
他害とは何かも参考にしてください。
- 外に出ると他害
- 内に向かうと自傷
なぜ内に向かうのか。
いくつかの要素が絡みます。
- 対人抑制が強い
- 他者へ向ける緊張が強い
- 内在化傾向が強い
- 身体刺激で落ち着きやすい
年齢が低い段階では自傷が多く、
発達とともに減少するケースも少なくありません。
一方で、自傷だけが残るケースも存在します。
どちらも珍しくありません。
強度行動障害との関係
強度行動障害は診断名ではありません。
状態像の区分です。
自傷がある=強度行動障害ではありません。
重く決めつける必要はありません。
自傷が起きやすい場面
家庭
- 叱責後
- 予定変更
- 疲労蓄積
- 入眠前の緊張
放課後等デイサービス・児童発達支援
- 集団刺激過多
- 活動終了時
- 達成困難課題
- 排泄や空腹による不快
困らせたいのではなく、
抱えきれなかった負荷の出口である可能性があります。
目を見て叩くのは分かっている証拠か?
自分を叩きながら大人を見ることがあります。
試しているように見えるかもしれません。
しかし前頭葉の抑制機能が低下している状態では、
分かっていても止められないことがあります。
意図と制御は別です。
ゼロを目指さない
現実的な目標は3つです。
- 回数を減らす
- 強度を弱める
- 回復を早める
叩かない子に変えるのではなく、
叩きにくい構造にする。
必ず確認する身体条件
- 睡眠時間
- 食事量
- 水分摂取
- 排泄状況
- 活動負荷
感情より先に身体を見る。
ここは自傷でも同じです。
次に必要なのは「構造」
自傷も突然には見えて、段階があります。
- 安定
- 負荷上昇
- 前兆
- 飽和
- 爆発(自傷)
減らせるのは③までです。
次の記事では、
この段階を具体的に分解します。
まとめ
自傷は性格や自己否定の問題とは限りません。
神経負荷の限界反応である可能性があります。
止める前に整える。
責める前に構造を見る。
そこから支援は変わります。
