「重さ」を測る制度ではない。 「支援体制」を評価する制度である。

個別サポート加算は、支援負荷の高い児童に対する追加的支援体制を評価する加算制度です。
加算Ⅰ(90単位/120単位)、加算Ⅱ、加算Ⅲの違い、
強度行動障害児支援加算との関係、併算定の整理までを
令和6年度報酬改定に基づいてわかりやすく解説します。

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個別サポート加算とは何か

重度証明ではない。支援体制を守るための制度構造を理解する

最初に:多くの誤解

個別サポート加算(個別サポート加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)は、
「うちの子は重度だから対象か?」という発想で語られがちです。

しかし制度が評価しているのは重さではありません。

制度が見ているのは、
支援がなければ安定が維持できない構造になっているかどうかです。

つまりこれは、
重度判定制度ではなく、支援体制評価制度です。


1. 個別サポート加算の制度趣旨

児童発達支援および放課後等デイサービスにおける個別サポート加算は、
生活動作や行動面において常時性の高い支援が必要な児童に対して、
事業所が安定した支援体制を維持できるよう評価する加算です。

  • 常時見守り体制の確保
  • 予防的支援(爆発前調整)の維持
  • 支援の継続性確保

評価対象は「困難さの派手さ」ではなく、
支援介入が生活の前提になっているかどうかです。


2. 個別サポート加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの違い

個別サポート加算Ⅰ

最も基本となる区分。
生活動作および行動面での継続的支援必要性が前提となります。

■ 単位構造(90単位・120単位)

個別サポート加算Ⅰには、
制度上90単位・120単位などの区分枠組みがあります。

この違いは「より重い/軽い」という評価ではなく、
制度が評価する体制要件や常時性の強度差を反映したものです。

なお、他加算と人的要件が重複する場合、
制度設計上の重複評価回避原則により単位調整が生じる場合があります。

個別サポート加算Ⅱ

Ⅰを超える体制整備が求められる区分。
主として医療的・身体的支援体制など、
より高度な支援基盤が前提となる構造です。

個別サポート加算Ⅲ(放課後等デイサービス)

特定条件下における継続的支援体制を評価する区分。
生活安定や社会適応に対する支援体制を制度的に評価します。


3. サポート調査票の本質

① 生活動作の常時性

  • 食事
  • 排泄
  • 更衣
  • 移動

「できるかどうか」ではなく、
支援がなければ成立しない状態かどうかが評価軸です。

② 行動面の継続介入

自傷・他害・多動などの有無ではなく、
介入が常態化しているかがポイントです。

③ 「日中」「通常」「時々」の意味

「日中」は放課後等デイの利用時間のみではありません。
家庭・学校・保育所等を含む生活全体を前提に整理されます。

「時々」は頻度の派手さではなく、
生活全体の中での支援必要性の位置づけを示す指標です。


4. 強度行動障害児支援加算との違い

混同されやすいですが、評価軸は異なります。

  • 個別サポート加算:支援体制の常時性評価
  • 強度行動障害児支援加算:行動状態の点数評価

制度は一貫して、
同一人的要件の二重評価を行わない構造で設計されています。

強度行動障害支援の体系構造については
強度行動障害支援方法の整理記事で詳細に解説しています。


5. 制度理解の核心

  • 単位(90単位・120単位)の多寡で判断しない
  • 重度証明と誤解しない
  • 体制評価であると理解する
  • 記録・支援計画・人員配置の整合性が前提

FAQ

個別サポート加算は重度児だけが対象ですか?

いいえ。重さではなく支援体制の常時性が評価されます。

個別サポート加算90単位と120単位の違いは?

制度上の区分枠組みであり、評価される体制要件の違いを反映しています。

強度行動障害加算と併用できますか?

評価軸が異なりますが、重複評価回避原則に基づき整理されます。具体的な運用は自治体通知をご確認ください。


まとめ

個別サポート加算とは、
「支援を守るための制度」です。

重度かどうかではなく、
支援が前提になっている生活構造をどう制度が評価しているのか。
そこを理解することが本質です。

※本記事は制度構造の一般解説を目的とするものであり、
具体的算定可否や運用判断について助言するものではありません。